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迷子インコとの出会いと別れ

迷いインコ

ある時、マンションのベランダで洗濯物を干していたら、どこからともなくインコが飛んで来て腕にとまりました。

びっくりしていると、インコは怖がる様子もなく、腕をちょこちょこと這い上がり、肩に止まりました。
何かを話しかけるかのように小首をかしげながら、ピヨピヨと近づいてきます。
そしてなにやら話かけてくるのです。

その人慣れした様子に、きっとどこからか飼われているインコが逃げて来たんだな、近くの家のインコが何かの瞬間に逃げ出してしまったんだろうと思いました。
そして全く飛び去ろうとする様子も無かったので、とりあえずこの迷いインコ保護することにしました。

翌日、会社で話してみると、こうした話はけっこう多いらしく、職場の外にある喫煙所で同僚と話をしながらタバコを吸っていたら、いきなりインコが肩に止まって離れなくなったということがあったという話も出てきたのです。

こうした迷子インコはそのまま直ぐに飛び立って姿を消してしまう場合もありますが、意外にも迷い込んだその人のそばから離れなくなったり、家の中に入り込み居着いてしまうケースがあるそうです。

飼い主を捜す日々

もちろん、迷子のインコを保護したからといって、そのまま飼うというわけにはいきません。
おそらくご近所のだろうと思い、回覧板に迷子の掲示をしてもらったり、公園などにある掲示板、近所の人がよく使うスーパーマーケットやコンビニにインコの特徴を書いて、保護した日時とともに張り紙をして飼い主を捜しました。

さらにインターネットのブログに掲載して飼い主を探すことにしたのです。
写真を撮って分かりやすいように特徴を書いたり、飼い主が見たときに安心するように毎日その様子を観察しては日記に書くようにしました。
これだけではなく迷子インコ専用の掲示板があったので、そういったところに複数回投稿してみたのです。

インターネットの情報は直ぐには飼い主が見つけてくれないという欠点もありますが、一番見つかりやすい手段かもしれません。
というのも、インコがなんと40キロも離れた場所に飛んで来たという話があるからです。

遠方に住んでいる場合、近くに張り紙をしていても、いつまでたっても飼い主は見つからないでしょう。
こういった努力が実り、様々な情報網からようやく飼い主らしき人が見つかりました。

飼い主のほうも、まさかそんな離れたところで見つかるとは思っていません。
特徴は似てはいるけれど、自分のインコではないのではと半信半疑でしばらく様子をみていたのです。
毎日アップされるインコの様子からようやく自分の飼っていたインコだと確信が持てたと言いました。

ブログへの迷いインコの日記の掲載は1ヶ月間続けられ、拾い主は次第にその観察日記が楽しくなり、それにつれインコへの愛情も芽生えてきたところでした。
インコの方もそんな拾い主の心の変化を察してか保護している間にだいぶ懐いてきていたのです。

しかし、家に訪れた本当の飼い主を見つけたとたん、いつもとは鳴き方が異なり、甘えるように飼い主に飛びついていきました。
感動的な再会であるとともに、拾った人間にとっては、ちょっぴり辛いお別れとなりました。