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母猫と子猫

猫にまつわる名話もいろいろありますが、猫がどれほど愛情深い動物であるかを知ることが出来る母猫と子猫のお話を紹介します。

猫との出会い

猫はどちらかというと、飼い猫でもリードに繋がれたりせず自由気ままに過ごしますね。
犬は散歩に行きますが、同じペットでも猫は自分で好きなように行動します。

これも多少関係しているのか、最近は野良犬をほとんど見かけなくなっていますが、相変わらず野良猫はあちこちで見かけます。

野良猫にもいろいろな性格の子がいるので、人間に不信感を持っている猫は餌を与えても人がいる間は餌に近づかず、人がいなくなってから餌を食べます。

しかし中には人懐っこい野良猫もいたりするので、猫好きな人は放っておけないのでつい餌を与えてしまいます。
餌がもらえると分かると、他からも多くの猫たちが集まってくるので、いつの間にかその家の周りは野良猫だらけという事も珍しくありません。

これもそんな猫好きな一家で起こった出来事です。

母猫の愛情

あるメス猫が餌を目当てにその家にやってきてからというもの、いつの間にか家猫のように住み着くようになっていました。
ペットではないものの、やがてそのメス猫は子猫を産みます。

しかし野良猫であるがゆえに、病気にかかっていました。
人間がそうであるように、ペットでも動物も出産は命懸けで行いますし、相当の体力を消耗します。
餌をもらっていても病気に犯されていたためか、出産という大仕事を終えた母猫はかなり体力を消耗していたので、衰弱していました。

それでも子猫のためになんとかもらった餌を食べるのですが、体が受け付けないので食べても嘔吐してしまいます。
嘔吐と下痢でさらに体力を消耗していましたが、母猫は動くこともできない体で尚も子猫の側に寄り添い続けます。

衰弱しているにもかかわらず、子猫を舐め毛づくろいをしている姿はとても痛々しいものでした。
見るに見かねた家の人が猫を動物病院に連れていこうとしたのですが、子猫を取られると勘違いした母猫は全身の力を振り絞り必死で抵抗し子猫を守ろうとします。

母猫がもう長くは生きられないのは、誰が見ても明らかでしたが、家の人もこれ以上刺激しないほうがいいと判断し見守ることにしました。

その日の夜家の人が寝ていると、なにか物音がしたので目を覚まします。
布団の中には1匹の子猫が入り込み必死で鳴いています。

さらに布団の周りにはもう4匹の子猫がいて、今にも布団に入ろうとしていました。
母猫もその近くに横たわっていましたが、気づいたときにはすでに息がありませんでした。

猫は自分の死期が近づくとそれを他の者に見せまいとして、どこかに隠れひっそりと最後を迎えるとても誇り高き動物です。
その誇り高き猫が、自分がもう長くないことを悟り子猫の事を考え、家の人に託したのでしょう。

衰弱した体で1匹ずつ子猫を咥えて家の中に運び、最後は自分のプライドよりも子猫のために人の前で死ぬ事を選んだのです。
結末としてはとても残念ですが、母猫の深い愛情を感じますね。