ペットの名話 保管庫
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ブリーダーからのお願いです

柴犬のブリーダーさん

私の家の近所には犬のブリーダーをやっていらっしゃる御宅が
あります。育てている犬種は柴犬だけです。

人が住んでいる家もこじんまりとしていて綺麗ですが
犬舎も整然とし、いつも良い衛生状態を保っているんだなということが
よくわかります。

これだったら犬達もさぞかし、住みやすいと思うのです。

手間暇かけて頭数を制限していると当然あまり利益は出ませんが
儲けのためにブリーダーをしているわけではないので採算は
度外視されあくまでも趣味が高じてしまっただけで
出来れば赤字は避けたいと言っていました。

生まれた子犬達はどの子も皆可愛いのでお客さんを選ぶときは
慎重にならざるをえないそうです。

譲渡先は慎重に選びます

まず生まれてから70日以内では原則的に売らないようにしています。
生後70日以内に犬の犬同士の付き合いや簡単な躾を
兄弟姉妹や母犬から教わる大事な時期なのです。

同時に人や社会にも少しづつ慣れていく必要があるためにお客さんは
ブリーダーに見学や面会が許される時期になると自分と相性が
良さそうな子犬を探しにやってくるのです。

お客さんがどんなに気に入ってもブリーダーさんが
許可しない場合もあります。

ブリーダーさんは子犬を欲しがるお客さんの家庭環境や給料、
住居の様子などを詳しく聞いてからでないと譲渡はしません。

わが子同様に大事に育てた愛する大事な子犬達の幸せを
守るためなら何だってするそうです。

いつだって身元の確かな信用できる人柄の人を選んで
託してもアクシデントは起こるものなのです。

急なアクシデントで飼えなくなった子犬

子犬を飼っていって可愛がられていた御宅のご主人が
急病で緊急入院を余儀なくされました。

奥さんもまだ小さな子供を抱えているので子犬の面倒までは
見ることはできなくなり、どうしようかと思っていたら親戚の家で
子犬を欲しがっている人がいるというので託すことにしたのです。

夫の病気も無事に手術が済んだので退院することが決まった時
ふと気になったのは親戚の家に託した子犬のことでした。

一度は託したのだし、今さらと言われても仕方ないですが
一度だけでも合わせてもらえないかと頼んでみました。

親戚の家の返事は曖昧ではっきりしない妙なものでした。
気になって仕方なくなった奥さんは忘れていったおもちゃを
渡すからという口実を強引に作って会いに行きました。

渋々会わせてくれた犬は数ヶ月前に家に来てくれた子犬とは
思えませんでした。

人間に対して怯えるばかりで妙に震えてばかりいるのも
おかしかったので奥さんは問いただしたのです。

いつもはおっとりした奥さんの怒り具合に逆切れしながら
相手は言ったのでした。

ちっとも懐かないし、無駄吠えばかりでうるさいので
仕置きしただけだといったそうです。

ずっと殴られたり蹴られたりしてすっかり怯えるようになってしまった
子犬をなんとか連れ出し家に戻りました。

奥さんは泣きながらブリーダーに相談にきたそうです。
ブリーダーさんも泣きながら話を聞いていたそうですが、
とりあえず犬をしばらく預かることにしました。

奥さんにどんなに忙しくても必ず日参することを約束させ、
今度こそ責任を持って飼うことを誓いもし飼えない状況に陥った時には
ブリーダーのところに返しにくることを約束してもらいました。

以来ブリーダーさんの所から子犬を飼っていく人は飼えない
状況になったら誰かに譲渡するのではなくブリーダーに
返しに来ることが必須条件になりました。