ペットの名話 保管庫
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人生を変えた犬の名前はゴンタローでした

親友の美紀ちゃん

美紀ちゃんは小学校からほぼ一緒のクラスの女の子で
かなり面白い子でした。

何が面白いかというと妙に思い切りが良いのです。
家庭科の課題のブラウスを時間がないからという理由で
ホッチキスの針でとめて提出したのも美紀ちゃんでした。

美紀ちゃんは家庭科の先生に前代未聞だとも史上初だとも
言われたそうですが美紀ちゃん本人は針つながりで
許されるかと思っていたようです。

そんな美紀ちゃんの家には美紀ちゃんと同じくらい
面白い犬がいました。

愛嬌たっぷりゴンタロー

名前はゴンタローでした。近所の家で子犬が生まれた時に
もらってきたそうです。

ゴンタローは雑種ではありましたが愛嬌たっぷりの
中々可愛い奴でした。

散歩の時には遠慮なしに引っ張ってくれるのでおばさんとお姉さんには
不評なため世話は主に美紀ちゃんとおじさんがしていました。

美紀ちゃんはゴンタローのリードをしっかりと掴んで
なるべく一緒に走ろうとします。

たまにゴンタローは走るのに夢中になり
道路脇の側溝にはまってしまいます。

その頃の側溝には蓋があるところとないところもあり要するに
落ちるとものすごいドブ臭くて絶対に簡単な水洗いなんかでは
汚れも臭いも落ちません。

ゴンタローがごめんなさいという風にうなだれるので
美紀ちゃんはいつも、良いよといいながら撫でてあげるのです。

家に帰ってお風呂に入るのですがまずは犬も人間も外のタライで
軽くぬるま湯で汚れを落とさないと入浴は許してもらえませんでした。

ゴンタローと美紀ちゃんはこんな感じに毎日を楽しく過ごしていますが
そんな日々に変化が訪れます。

いつものようにはしゃぎながらゴンタローが美紀ちゃんを半ば
引っ張りながら散歩を楽しんでいると狭い住宅街の
道路を暴走してくる車にぶつかりました。

美紀ちゃんと私の転機

鈍い音と飛んだ血飛沫に私たちの身体は固まりました。
車はそのまま逃げるように走り去り後には呆然とする美紀ちゃんと
散歩に付き合っていた私だけが残されました。

ゴンタローを病院に連れて行かなければという使命感に燃えました。
私の家の方が近かったので私は母に頼んで車を出してもらいました。

古い毛布に包まれてぐったりと後部座席に横たわるゴンタローに
美紀ちゃんも私も涙が出そうでした。

動物病院では他の患蓄さんもまだいたのですが緊急性が
高いということで先を譲ってもらい緊急手術を行うことになりました。

結果手術は成功でゴンタローは見事に生き延びることになりました。
身体中に包帯が巻かれるという可哀想な姿ではありましたので、
入院することになりました。

そして、美紀ちゃんの人生はこの時180度ガラッと変わりました。
この時の先生の手際の良さや格好良さに憧れ、
獣医さんを目指すことになったのです。

美紀ちゃんはやる気がないだけで実は頭が良い子だったので
この夢はすんなりと通って今では彼女は動物のお医者さんとして
活躍しています。

そして私も犬のしつけや訓練を行うドッグトレーナーになりました。

美紀ちゃんとは今でも会って飲みに行くことがあると
必ずゴンタローの思い出話が出たりします。

二人ともゴンタローがいなければゴンタローが事故にあっていなければ
違う人生や職業を選んでいたかもしれないのです。

ゴンタローはもうこの世にはいませんが何年経っても
ゴンタローのことだけは忘れられない二人なのでした。