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ペットに救われた家族

猫は家に付き、犬は人になつくとよく言われています。
猫好きは猫が好きな理由があり、犬好きには犬が好きな理由があります。

名前を呼んだら体中で喜びを表現してこっちに向かって走ってくる、何もせずただ一緒にいるだけでも癒されるなど、犬好きにもそれぞれに理由があります。

犬はどちらかというと人に懐く動物なので、一緒に暮らしていくうちに自然と家族に溶け込んでくれます。
そんなペットにまつわる犬の名話から、ある家族のストーリーを紹介します。

息子を自殺で失った家族を救った犬

ある家族に起こった悲しい出来事、それは高校生になる兄の自殺でした。
人に限らず命あるものはいつか必ず死が訪れますが、自殺という死に方は残された家族にとって大きな傷となります。

あまりのショックに両親はうつ状態になり、妹も兄を失ったショックは大きかったようです。
ペットセラピーというのを知っていますか?

うつ病患者の治療にペットセラピーを取り入れる事があります。

犬は人のように頭で考えずに本能で行動します。
見返りは求めず、損得も考えず、全身で向き合ってくれるのでこれが癒しになるのです。

この家族にもこの癒しが必要であると考えた妹は、ある1匹の雑種犬を家族に迎えます。
もちろんすぐに心の傷が癒えることはありませんが、それでも少しずつ犬と接することで家族中に笑顔が戻ってきます。

いつしか妹や両親にとって、その犬はかけがえのない存在となっていました。
特に妹はとても犬を可愛がり大切にしていたので、家族と出かけるときも彼とのデートの時も犬はいつも一緒でした。

妹は彼氏に対して、この子は私や家族にとって特別な存在なのだといつも話していたそうです。

家族を救った犬の死

犬は人よりも早く年を取るので、どうしても人より先に天国へ行ってしまいます。
その犬もだいぶ年老いており、体も弱ってきます。

動物病院に連れて行くも、もう残された時間が少ないことを知り家に連れて帰ることを選びました。
大切な家族なのだから、せめて最後は慣れ親しんだ場所で家族で看取ってあげたかったのです。

いよいよ犬の最期が近づいたことを悟り、妹は彼氏にそのことを伝えます。
仕事も休み犬につきっきりでいた彼女を心配して、彼氏が家を訪ねたときには既に危篤状態でした。

月明かりの中静かに横たわり微かに体が上下しているので、息をしているとわかります。
食事も受け付けず、妹がスプーンで口元に水を運ぶもそれすら受け付ける力は残っていませんでした。

次第に微かに動いていた体も動きがゆっくりになり、とうとう動かなくなってしまいます。
妹と両親に見守られながら、その犬は静かに息を引き取りました。

その時妹は悲鳴に近い声を上げ号泣します。
それは彼も今までに見たことのない姿でした。

その声を聞きつけ近所の人も駆けつけますが、誰も笑ったり騒いだりせず静かに見守ります。
ある高齢の女性が妹に、こんなに月が明るい日なのだから迷わず天国に行けたはずだよと語りかけます。

それまで冷静に見守っていた妹の彼氏も、いつしか自分が泣いていることに気づきます。
彼氏は動物を飼ったことがなかったので、あまり犬と触れ合ったこともありません。

初めて触れたのは冷たくなったその犬でした。
体は冷たいけど毛はまだフカフカしています。

彼氏はその時思ったのです。
彼女と結婚して犬を飼いたいと言われたら飼ってもいいな、だけど僕は絶対彼女よりも後に死ぬことにしようと。