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子の死に直面したチンパンジー

京都大学の研究者がカメラに収めた光景とは

2013年に公開されたある映像が、霊長類の中でも知能が高い動物とされているチンパンジーの生態を新たに発見するものとして大きな注目を受けました。

映像では長期間に渡りチンパンジーのコミュニティを撮影したものでしたが、その時にわずか生後16ヶ月で亡くなった子チンパンジーがいました。

亡くなったチンパンジーの名前は「ジョコ」というメスで、母親と姉とともに生活をしていました。
ジョコは生まれたときから体が弱かったのか、体もガリガリで毛並みもよくありませんでした。

体の具合が悪そうであるにも関わらず母親の傍らで毛づくろいをするような様子が見られていましたが、しばらくして母親の隣で突然倒れてしまいそれから自分で立ち上がることもできなくなってしまいました。

それから母親はジョコをおぶって運んだり餌を与えたりしますが、乳を飲むこともできずにただうずくまったままで数日が経過します。

倒れてから3日めには動くこともできなくなり、母親の背中でだらんと腕を伸ばしたままになります。
既に母親の背中でジョコは息絶えてしまっていたのですが、母親はそれでもずっとジョコのことを背中に乗せて群れとして移動をしていきます。

亡くなって2日が経過して腐敗が始まってもまだ母親は背中からジョコを下ろさず、頑なに元気であったときと同じように背中に乗せて移動を続けます。

https://youtu.be/G0eWViFdkbY

他の群れのチンパンジーも嫌がらずに様子を伺います

チンパンジーは集団で社会を作り移動をしながら生活をするという動物なのですが、死んだジョコをいつまでも背中に乗れ続けている母親に対して特に嫌がったり追い出したりしようとはしません。

群れの最上位であるオスも、背中に乗せられたまま腐敗しているジョコを見てもそれに対して攻撃を加えるようなことはせずに静観しています。

同じ群れの子供のチンパンジーは既にミイラのようになったジョコの死体を持って木の上に上ったり、引き上げたりといったような遊びの行動を見せたりもします。

母親のチンパンジーは子供のジョコが亡くなったことで次の発情期を迎えているのですが、他のオスと接触せずに頑なにジョコの死体を背中に乗せ続けます。

動画では、最終的にほぼ骨と皮だけになり枯れ枝のようになったジョコを同じように背中に乗せて去っていく母親の姿が残されています。

チンパンジーの知能の高さは既によく知られていることではありますが、この映像は自分の子供を愛する気持ちや同じコミュニティで生活をする仲間がそんな母親を思いやる気持ちが伝わります。

その後の追跡により最終的には母親チンパンジーはジョコの亡骸を手放したということですが、その際には仲間の意見を求めるような仕草も見られたとのことです。